遠友だより
第147号 2010年1月13日
遠足 一年生感想文(2)
M.Nさん
遠足でみんなの顔が、輝いているようね。草や木なども。
鳥の声が私の耳に届くような、そんな気持ちになった自分です。
知事公館庭、美術館、とてもよかったです。
* * *
私の一日
M.Sさん
朝早くカーテンの透き間から、外を見る。よし!大丈夫、まだ早い。
秋の深まりを感じ 気分も足どりも軽やかに
とっても 古い果樹さん
「おつかれさま」ですね ずいぶん足もとが弱っています
でも背丈は 高く伸びています
歳はいくつですか とたずねると
お前と同じ歳だ…と
手も足も痛くてな と笑っていた
美術館を見る目は ないけれど
あの童顔は にっこり私を見ている
私にも あの頃が あったはず
ちょっと素直な心になれたよう…
今は度忘れ 思い出すのに 時間が必要
さあ お弁当タイム
自作ですもの おいしいわよ
何十年ぶりの 遠足かしら
ゆっくり家で計算することにする
ゲームは歳を忘れて頑張れるものね
私は赤組 優勝よ
雨が来る前に 帰ることに
スタッフの皆様 楽しい一日
ありがとうございました
来年も参加したいと 友と話す
カメラさん ありがとう
きっと幾度も出してみると思います
無事一日過ごしたことを天に報告
合掌
10月10日秋晴れとはいきませんでしたが、雨も降ることなく、一日楽しく学習し遊ばせてもらいました。ありがとうございました。日頃感じているボランティアによるゲーム等も入り、普段教室にいても言葉を交わすこともないのですが、その時は垣根を取れ親しく交えて参りました。私は奥手な方で、人と交わることが下手なのですが、この時ばかりは、お菓子配りをしたり、夢中で声を掛け合ったりしておりました。
また絵画展におきましては、一人で足を運ぶことも少なくなっている今日ですので、久し振りに解説も交えての閲覧は心和ませてもらいました。折角北海道にいて、札幌にいて良い場所が沢山ありながら、鑑賞していかないのは惜しいことですので、また機会を得て参加して参りたいと思います。
今後ともよろしくお願いします。また、このような心温まる方達のお働きには、日頃頭の下がる思いを致しております。
* * *
遠足のお弁当
Y.Mさん
青空が広がった日、何十年ぶりに遠足を体験した。
お弁当は母親と共同で作る約束で、数日前から打ち合せをし、前日の夜にはお弁当が完成してしまっていた。親子で緊張していたらしい。
行った場所は、知事公館の庭と三岸美術館。どちらも初めて行く所だった。
正直言って、私は美術に関して全く無知だ。筆のタッチが、構図が、色づかいがなど分からない。どれも同じに見える。善し悪しなどが分かるはずがない。スライドを使って説明してくれた方には申し訳ないが、ただひたすらに眠い。お腹が「弁当!弁当!」と呼んでいた。
遠足と言えば弁当、弁当と言えば遠足である。みんなで食べるお弁当ほど楽しいものはない。母と協力し合って、二段のお重にした。正月料理より豪華だ。母親の「みんないっぱい持ってくるよ!」の言葉を信じ切っていた。
が、お弁当の時間にイソイソとお重を出すと、それを見てみんなが驚いた。私も驚いた。豪華なお弁当がどこにも見あたらない。「母さん、最近の大人は冷めてるよ‥」。そう心でつぶやいた。でもやはり、みんなと一緒のお弁当は楽しい。感謝して、友達と分け合って食べるお弁当は、格別においしかった。
その後のゲームは、他のクラスの方々と交流できるチャンス。自分とペアになる仲間を探すゲームでは、声を張り上げ、無我夢中でやっているうちに、気がつくとペアになる相手と手を取りあっていた…と言う、体を張った交流で面白かった。
天気予報では午後から雨。青空に雨雲が出て、風に湿り気を感じ始めた頃、タイミングよく「解散」の声がかかった。
帰りのバスの中、雨が窓をぬらしていた。
三年生作文
私の秘めたる恋物語
3年生 O.Rさん
彼と中島公園を歩いていたら、突然バリバリと、一瞬雷鳴がとどろき、にわか雨が降ってきた。すぐ側の大きな木の下で雨宿りをした。雨はすぐにやんだ。彼はポケットからハンカチーフを取り出して、私の頭をふいてくれた。「レイちゃん、風ひかないばいいけどね」弱い私のことを気づかってくれる彼。そしてジャケットを脱いで、私の肩にかけてくれた。彼のぬくもりが、私の身体を優しく包みこんでくれて、嬉しくて幸せを感じました。
いつか雨はやみ、西の空は夕焼けで真っ赤でした。「明日は天気になるね」と彼、「良かったわ、お天気になって」と私、日が暮れて公園も薄暗くなってきた。「レイちゃん、本当に手術するの」心配そうに尋ねる彼。「本当はしたくないけど、私の病巣の場所が悪いから、このままだと大変な事になるって」「手術しても大変なのにね」と彼。「一か八か運を天に任せるよりしかたないしょ」「そうだね」。私はつらい胸のうちを明かした。
お互いに好きとか言った事も、言われた事もなく、休みになると、映画を見たり、公園でボートに乗ったり、そんな付き合いでした。
私は身体が弱いから、貴方が好きだなんて言えなかった。すべてに消極的でした。二人で文通はしておりましたが、好きだと言う言葉は、便箋の何処を探しても見つかりませんでした。が、昨夜のレイちゃんはお人形さんのように可愛かったよ、と言う文章を見つけて、ちょっぴり嬉しかった。涙が出た。
大手術を控えていた二十歳の乙女の嬉し悲しの恋でした。入院してからも、彼は何度も私の好物を持って病室に来てくれました。が、何しろ結核病棟は午後から安静時間なので、彼が来てくれても、ベットの上に身体を起こしてお土産をいただくだけ、たった5分位顔を見ただけの別れでした。本当に辛く淋しかった。病気をうらみました。
彼とは18歳の時から交際していて、デイトの時に軽く腕を組んでくれたり、映画を見ている間、手を握ってくれました。ファーストキス、軽くたった一回だけ、本当に淡雪のような、儚い恋でした。
青春時代は、病弱で悲しい恋ばかりでした。今が青春なのかな?楽しく老後を送っています。
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