遠友だより
第138号 2008年12月3日
3年国語 わたしの願う日本国憲法(1)
I.Hさん
日本国憲法は、正当に選挙された国会における代表者が、私達と子孫のために作ったものです。私達は作られた法律に従って生活していかなくてはならないと思いますが、数多い法律を覚えることは無理です。ただ日常生活の中で、人間として悪い行動をしない様に一日を過ごすことが、法律を守っていることになると思います。
私達は、全世界の国民が恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を持っています。
今、世界の中で戦争している国があります。テレビに映る戦争の場面を見たり、若い人達が軍隊に入り訓練しているのを見るたびに、いつになったら戦争のない世界が来るのだろうと思います。小さな子達は恐怖にさらされ、食糧不足や流れ弾にあたり死んでいく人々。なぜこのようなむごいことを、いつまで続けるのか。悲しいことだと思います。
また、災害などで苦しんでいる国の人々を救済するために、日本からボランティアの人達が海外に行っています。他国のことを無視することなく、平和な世界になるように、他国と共に協力していくことが大切だと思います。
日本国の憲法は、永久に全力をあげて、護り続けていくことが大切と考えます。
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O.Yさん
私は、正式に日本国憲法を読んだのは人生六十八年間で初めての体験だ。この遠友塾に学ばなければおそらく自ら進んで読むことはなかったことだと思う。
私の記憶では、中学生の社会・歴史の時間に「何が原因で戦争が始まって、何が原因で負けたのか」はっきりと教わった覚えがない。(時間がないので社会歴史はこれで終わり)今考えると先生もきっと教えるのが辛かったのだろうと思う。
この度日本国憲法を読んで感じたことは、日本は戦争に負けてよかったのだと思う。負けたから、このように生きていく上で大切な内容が盛り込まれた憲法ができたのだと思う。人間が人間らしく生きていくためには負けることを学ぶことも必要だと思う。
平和とは、すべての国の人々が餓えることなくささやかな暮らしを営むこと。際限のない欲望を持つ人間は、国益や宗教、イデオロギーの違いを理由にして戦争をやめることができない。
私は全世界の人々が幸せに生活できることを祈っています。
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K.Mさん
今回授業で憲法の勉強をすることになり、今まで憲法について改めて考えたことは、一度もなかったと気づきました。私は正直なところ、憲法は日常生活からかけ離れたもの、という感覚でいたのです。
日本国憲法の前文を何度か読み、少し理解できたような気がしましたが、「憲法は国の最高法規であり、主権在民、平和主義、基本的人権を基調とする。」言葉として頭に残ったのはこの程度です。
私が願う日本国憲法は平和です。憲法は、全世界の平和を謳っていますが、世界の至る所で、今も戦争の恐怖と、貧困に巻き込まれ苦しい生活を強いられている人々が、大勢いるのです。
憲法の平和主義が本当に生かされているのか疑問に思います。平和のないところは、何もかも人間性を変えてしまうのです。
私の願う日本国憲法は国際平和主義です。そして、これを守ることです。
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K.Tさん
憲法は、国で一番大事な規則です。国の仕事のやり方を決めたものです。私たち国民の一番大事な権利・基本的人権を決めたものです。
憲法は、選挙で選ばれた私たちの代表・議員の方々で作ったものです。皆が幸せになるようにと国民全体で作ったと同じです。
戦争の放棄で、今日本は戦争のない平和な生活を送っております。でも世界のあちこちで戦争が行われています。
今日本で憲法改正の案もでているようですが、戦争にならないためにも今の憲法をまもっていけるようにと、願っております。
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M.Yさん
私は、日本国民すべてが、戦争のない世の中で平和に生存できる社会にするためには、国民一人一人が選挙や国政に関心を持ち、国民が一丸となり、政治、環境、教育、少子高齢化問題他、食の安全、景気対策、年金問題に全力をあげて取り組むように願います。
政治=政府が国家権力で国民を支配したり、国民の自由を奪うことのないように、国民も政府の一員であることの意識を高め、信用、信頼される国づくりを願います。
環境=地球全体の環境の整備。第一に地球温暖化対策として、二酸化炭素などのガスの減少に取り組む。植樹に力を注ぎ森林伐採に歯止めをかける。ダイオキシン対策として、一般、産業廃棄物の燃焼によって発生する強い毒をもつ化学物質をでなくするための安全な処理施設を確保願います。
教育=虐待や苛めのない安心して学習できる学校にすることを願います。子供一人一人の個性(良さや能力)を伸ばし、解る授業をすることを願います。子供の通いたいと思える学校にすることを願います。
少子高齢化=子供を安心して出産できる施設、安心して育成できる環境を整えることを願います。老後を安心して過ごせる社会にすることを願います。
以上が私の理想とする日本国憲法です。
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H.Nさん
たいして長いとはいえないが「前文」を読みながら、なにか難しいことを読みあげた感じがした。憲法そのものも百三条まであるとのこと。
できるかぎり多くの人に読んでもらいたいと思う。そのためには、やさしい言葉で、分かりやすくつくることが大事だと思う。そうすれば、すくなくとも成人のあかつきには憲法をひととおり読みあげることができるだろうから。
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Y.Tさん
ここ何年も前から一部国会議員の中に、憲法九条・戦争の放棄の条文を一部改正しようという動きがある。この議員たちの言い分を聞くと、「今の憲法は戦後アメリカに押し付けられた憲法だ。戦後六十年たった今の時代に合った憲法に改正したい」という。つまり九条を改正して軍隊・軍備を堂々と持ちたいということだ。日本は戦争に敗れ、連合国側の無条件降伏を受け入れ終戦になった。その中で今も問題にしているのが九条の軍隊・軍備を持たないということだ。
私は改正に賛成する人たちに言いたい。あの悲惨な戦争の結果、どれだけ多くの人々が戦火に倒れたか。また全国が空襲に晒され、家は焼かれ、人々は焼け死に、原子爆弾を二発も落とされ、外地では多くの一般人が取り残され、ソ連には北方四島を取られ、約五十万人の将兵がシベリアに強制連行され、日本が壊滅的になったあの戦争を忘れてしまったのか。
また一部では「日本は自衛の権利がある。日本を守るために軍を持つべきだ」と言っている。今一度憲法九条をよく読んでほしい。憲法九条は軍隊・軍備をもつことを禁止している。では戦車、軍艦、ミサイル等兵器は軍備ではないのか。今の日本は戦後六十四年間どこの国とも武力での争いがない。これは憲法九条があるからである。それでもなお、堂々と軍備をしたいのであれば、国会ではなく全国民に問うべきである。そしてそういう人に私は言いたい。「岸壁の母」の唄を思い出してほしい。あの母の心境を考えてもなお、軍隊をもち軍備をしたいのか、と。
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