遠友だより
第133号 2008年2月27日
2年生 国語 私の好きな故事、ことわざ・慣用句(2)
瓜田に沓を納れず、李下に冠を正さず M.Hさん
瓜畠の側を通り時には、身をかがめてくつを直してはならぬ、瓜を盗むかと疑われるのを恐れるから。李の実っている木の下では、手を高く差し伸べて冠を正すようなことをしてならぬ、李をとるかと疑われるのを避けよ。
孫が小学生の頃、散歩をしながら木々の下を通る時など話してあげたが、覚えているだろうか。今回の国語の課題を与えられ懐かしく思い出しました。
明治生まれの亡父の躾は、諺、故事、風刺などを使っての道徳教育、厳格な恐い亡父の愛は片手の指が余るほどなのに、諺などは両の手から溢れるほど。
親の意見となすびの花は、千に一つの無駄もない。
私の育てるなすの花は、諺どおりに育たない。
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目の中に入れても痛くない M.Yさん
人生で絶えず自分に言い聞かせ努力してきた言葉です。
今から二十年前の病院の待合室での一こまです。
五歳位の女の子の遊んでいる姿を見ていると、どこからともなく「目の中に入れても痛くない」「可愛くて食べちゃいたい」などの声が、あちらこちらから囁かれてきました。
その時何気なく呟いた私の一言「目にはいるわけがない」が子どもの気にさわり、「昔から、聞くは一時の恥、聞かざるは一生の恥という言葉があるように、知らなかったら辞典で調べたり、誰かに聞いて正しく伝えてよ」と、厳しい一言をもらい、反省させられたことを思い出しました。
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暴走老人 Y.Tさん
私は65歳を過ぎて、暴走老人になってきました。例えばスーパーのレジに並んで順番を待っていても、いつもいらいらしています。
銀行へ行っても、自動機の所で人が多数並んでいると、お金を下ろさないで帰ってきます。
特に毎年必ずいらいらする日があります。それは確定申告の日です。
確定申告の数日前に、必ず税務署に行きます。そうすれば並ばなくてもいいのです。それにこの歳になって、人から説教じみた話しを受けたくありません。
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足が棒になる Y.Mさん
高い山にいる「ホシガラス」を見に、友達と無意根山へ登りました。
豊羽入口から林道を三時間近く登ると、坂道が岩石に変わり、大粒のにわか雨が降り出しました。壁のような岩石に足が滑り、一歩進んでも滑り落ち、足が動かず進めません。
ハイマツ林で休んでいると、上の方で鳥の声が聞こえます。夢のようでした。ホシガラスです。ハイマツの上をガァーガァーと、ゆったり飛んでいました。感動して、どろんこ足も軽く感じました。
本当に足が棒になった登山でした。
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頭が固い Y.Yさん
私の頭は、融通が利かないというか、判断に困っています。
勉強のことにしても、解決しないと前に進むことができず、みなさんからドンドン遅れていく、飛ばして先に進むとストレスの固まりになります。
ちょっと気休めに唄など唄ってもう一度始めても、もやもやは取れません。どうしたら頑固は解決するのでしょう。一度納得すると決して忘れない頑固な頭です。
でも私には友達が多くいます。柳に風とならない、なびかない頑固な私でも、どこかに取り柄があるのか、そんな私、私は好きです。
いつか頑固が取れたら、糸の切れた凧のように、フワフワ空に飛んでいくのでしょうね。
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