本郷新記念札幌彫刻美術館の見学会を終えて
紹介者:2年スタッフ 山本航
▲ わだつみ像
▲ 嵐の中の母子像(石膏型)
8月1日(水)、本郷新記念札幌彫刻美術館の見学会を行いました。この見学会は同美術館の佐藤信館長が、遠友塾が教室を貸してもらっている向陵中学校の元校長先生であったというご縁があり、館長のご厚意で実現したものです。遠友塾からは受講生・スタッフ合わせて78名程度が参加し、「芸術の夏」を堪能させていただきました。
本郷新は戦後日本を代表する札幌生まれの彫刻家で、「彫刻の社会性」を重視するという考えから、公共空間における彫刻の制作に情熱を傾けたそうです。彼の彫刻は全国80か所以上に設置されており、道内でも大通公園の「泉の像」、JR札幌駅前の「牧歌」、函館の「石川啄木」像など有名なものが多く、驚きと同時に誰の作品なのかまったく知らなかった自分の勉強不足を感じました。
見学会は学芸員さんより本郷新の生い立ちなどについて説明を受けた後、1作品ごとに制作の経緯や作者が作品に込めた思いについて丁寧にお話していただきました。この中で私が特に印象に残ったのは、広島における原爆投下の惨禍の中という「極限の状態の中での愛情」を表した「嵐の中の母子像」でした。本郷は平和に対する思いが強い方だということですが、爆風に抗い子どもを必死で守ろうとする母親の姿に、何かものすごい力を感じ、その場に立ち尽くさずにはいられませんでした。
また、本郷作品ではありませんが、若手芸術家による新シリーズ展「となりのひと」は「人との絆」をテーマにしたユニークな興味深い作品が多数展示され、興味深い内容だと思いました。
今回の見学会は担当事務局員を中心とした行事係の事前準備と、各クラスの協力により、成功裏に終了することができました。受講生もみんな熱心に鑑賞しており、好評だったようです。唯一残念だったのは、せっかくの機会であるのに自分の所属する2年生の受講生の参加が非常に少なかったことです。これについては今後、行事の際の日程設定や声かけの仕方など工夫する必要があると感じました。
最後に、ご招待していただいた佐藤館長をはじめ美術館の皆様、快く増発便を出していただいたJR北海道バスさんに心より感謝申し上げます。
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