全国夜間中学校研究大会
第60回 全国夜間中学校研究大会参加報告
2014年度
全夜中研に参加して
札幌遠友塾受講生3年 古田知義
遠友塾の3年生3人、先生スタッフ4人計7人で東京まで行きました。最初の日に会場に入ると、「第60回全国夜間中学校全国大会」と大きく書いてあり、もう60年になるのかとびっくりしました。いろんな地域の夜間中学校の生徒の発表もありました。一番最初に発表したのは男の人で、とても早口で、ところどころ聞きとれず、自分の耳が悪いのかと思ったが、それでも「私」という言葉は、はっきり聞き取れた。その「私が」をかぞえると20回ぐらいも出たように思った。他人の事は言うけれど、自分の事になるとそんなに思うようにはならない。
3番目に発表した人はフィリピンから日本に来て何年もたっている様だが、はっきりと分かりやすい言葉づかいでした。日本の男性と結婚して子供も多いようでした。夫はやさしいのだが、私が外国人であるために、いろいろと苦労している事などを発表していました。これを聞いていて、言葉では人種的差別とは言っていないのだが、多少それにあたるのではないかと思った。
発表の後、講演などもあり、午前の部が終わったのは午後一時近くになった。午後は懇談会で、もうその頃にはだいぶ眠気もさしてきましたが、そんなに長くいなくて外に出る事ができた。
夜になってから森田先生の案内で、よその夜間中学を見に行きました。最初は理科で、中国系の生徒に見えた。双眼鏡で星をさがしていたが、のぞいて見たら月は見えたが星はさがせなかった。女性徒ばかりでにぎやかなものだ。次の教室は、女性二人と男性二人で、やはり外国の生徒でした。先生に「どちらから来ました?」と聞かれたので、栗原さんが「札幌」と言う。すると先生が、北海道なので生徒に「何か聞いてみなさい」と言う。「食べ物は何が好き?」と聞かれたので、私は「ラーメン」と言った。栗原さんは「ジンギスカン」。先生が男性生徒にも「聞いてみたら」と言うと、少しはずかしそうでしたが、「四季はいつが好きですか?」と聞いてきました。私は「春です」と言うと、「どうしてですか?」と聞いてきたので、「春はだんだんあたたかくなって、花も咲くので」と答えました。栗原さんは、「冬がいいです。まわりがまっ白で、スキーもできる」と言ったような気がした。そんな楽しい一時でした。
夜の食事は、だいぶおそかったように思う。午後八時すぎだろうか。それでもお酒の飲める人はいいなあと思った。
二日目になっても、それぞれの夜間中学の発表があるのだが、どうしても大都会の学校の数が多いので、圧倒される感じがする。夜間中学と遠友塾とでは違いがある様に思えて、同じ席にいてもと、そんなことを考えていた。
終わりの方で、この後は自主夜間中学と生徒の考えを順に聞いて行きたいと思いますと言われた。すると、工藤先生は「ここでどうしても伝えたい事がある」と言いました。その時は、もう真剣そのものでした。私たちと遠友塾のためと思うと。
今回ここに来て良かったと思いました。
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