全国夜間中学校研究大会
第58回 全国夜間中学校研究大会参加報告
2012年度
全国夜間中学校研究大会に参加して
1年スタッフ 森川 幸恵
遠友塾のスタッフとしてお手伝いさせていただくようになり、5年が過ぎました。夜間中学って?遠友塾って?考えながら活動していましたが、今回、自分自身の視野を広げるため大会に参加させていただくこととなりました。
この大会で自分の目で見る、公立夜間中学校での専用の教室はもちろん、机やいす、給食などとても刺激となりました。札幌遠友塾に通われている受講生は、年齢も学習経験も学びたい理由もそれぞれ違います。わかる喜び・学ぶ喜び、そして大切な仲間に出会える。そんな場所になれるよう環境が必要になります。
見学させていただいた墨田区立文花中学校では、皆さんと一緒に給食をいただきました。牛乳瓶のふたを開けられず困っていたら、前に座っていた少年がそっと手を貸してくれました。彼は、中国から9月に来たそうです。彼のクラスには、家族を祖国に残し日本に来ている方がいました。同じ境遇の仲間に囲まれ、笑顔で授業を受けていました。ミャンマーの難民キャンプから来ている生徒会長の青年は、とても笑顔が素敵で印象的でした。
札幌から一緒に参加させていただいたお二人の受講生さんは、突然の発言の依頼にも快く応え発言してくれました。詩集をノートに書き写したことや、大阪の生徒さんと文通したいと涙ながらにお話されていて、会場にいらした方々の心に響いていたことと思います。二度の夜間中学に入学された方のお話を聞き、涙していたお二人を見て、私は「切実に学ぶ場を求めていたんだ」「札幌遠友塾はそんな場所なんだろうか?」と考えさせられました。
公立の夜間中学は、教室があって、自分の机といすもあって環境は整っているのかもしれない。専門の先生がいて、カリキュラムもある。それが、札幌遠友塾の受講生さんに求められているかは、今の私にはまだ、わかりません。
この大会で感じたことは、学校側の取り組みや報告は聞くことができました。生活体験発表で、通われている方の生の声も聞くことができたので、もっと視野を広げ色々な場所に参加させていただきたいと思いました。
そして、札幌遠友塾が受講生・スタッフの心と心のつながりを持てる場になることを願っています。
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