札幌遠友塾自主夜間中学 20年の集い
生活体験発表
伏見 裕子 さん(3年クラス)
みなさん、こんばんは。私もこのあいさつで始めさせていただきたいとおもいます。
まず初めに、今この遠友塾20年の集いが出来ることに大きな喜びを感じています。私がここに来たのは2年前でした。その時私は不登校生でした。私は中学にほとんど通っていません。入学したものの、早い時期から始まったいじめによって、そこにいることが出来なくなりました。それでも形だけの卒業証書をもらったものの、その後通信制の高校には行ったものの、やはり学校というものに通うことが出来ず、6年ほどの間、私はずっと不登校を続けました。ただ形だけの卒業証書をもらっただけの、そういう何とも言えない立場で一人悶々としていました。すごく居心地の悪い期間でした。卒業証書を頂いたものの中学には通っていないので、中学程度の学力があるかどうかもわからず、次へ進む階段を見つけられないままでいました。
ある時ふと、母がここ遠友塾の記事を新聞から見つけてきました。もうすぐ見学会が開かれる頃の記事でして、私にそれに行ってみないかと言ったのです。私はそれを読み迷いました。臆病風に吹かれてやめようかと思ったこともありましたが、その時私はなぜかすぐに、行ってみると答えていたのです。6年もそんな生活をしていたのに、何があったか分からないのですが、なぜか答えていました。見学会に来て、居心地の悪いのとは違う今までにないものを見たせいか、不思議な感覚を味わって、そのまま私は遠友塾に入学し、そしてその年から学校にも通うようになりました。通信制の高校、週に2回くらいあるかないかの高校でしたが、今までずっと通えずにいたままでした。
遠友塾に通うこの2年、今3年生になって、同じクラスに学ぶ人たちとの間にも交流が生まれてきました。そして言われるのです。昔のあなたは話しかけられなかったと。何が変わったのか、自分では分かりません。でも周囲の人たちが私は変わったと言って下さいます。話しかけられなかった人から、よく話す人になれた、それが今嬉しく、そうやって好意を向けて下さる方々の心を受け取ることができるようになった自分をとてもうれしいんです。その6年間、そしてその前の中学3年時代の私は、人に疑心暗鬼になり、人の目線を怖がり、どうしようもなく人の真意の底を探るような、そんな感じが自分でもとてもいやでした。でもそうせずにはいられなかったんです。
それから来年には4年制の高校も卒業年度になります。今卒業に向けて頑張っています。こちらも今3年ですので、普通に言えばこのまま卒業ということになるんでしょう、この3年の間に受けた恩恵は計り知れないものがあると思います。この場所とこの場所が出会わせてくれた皆さんに、私は深く感謝の心を持ち、お礼を申し上げたく思います。みなさんありがとうございました。
ご清聴ありがとうございました。
※「集い」の横断幕は、伏見さんの書であることの紹介あり。
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