「寺子屋数楽塾」開催のお知らせ
数学教科部会(泉・森両氏)が中心となり、スタッフ向けの数学基礎の勉強会が始まりました。
この「寺子屋数楽塾」は、受講生の理解の程度に応じた授業を行うため、まずスタッフが数学基礎を勉強し直し、そのなかで札幌遠友塾数学の授業要領を作り上げていくために開催されました。
火曜日(午後6時から)、土曜日(午後1時から)の週二回開催され、両日は同じ内容で行われ、一回完結の勉強となります。期間は、来年3月までの開催予定です。
■第1回(2008年10月25日)勉強会内容
- 1.数の幼年期
(数の誕生と数概念の形成)
- 分離量(いくつ)と連続量(いくら)
分離量は数えられるし、連続量は測るという、単位で測る手続きはどのようにして現われてきたのか。
- 数の生い立ち
一対一の対応から、ある集合を二つ以上に分割しても数が変わらない、数える順序を変えても数は変わらない、としたら数を知ったことになるのだろうか。
- 自然数
0の発明から算用数字が生み出され、その算用数字こそは位取りの原理によって、わずか0,1,2,3,4,5,6,7,8,9の配列であらゆる数を書き表すことができようになった。
■第2回(2008年11月1日)勉強会内容
第1回のつづき
- 1.単位あたりの量(分離量と連続量)
- (1) 集合の「大きさ」が分離量となり、それを表すものが基数である。この基数と序数を合わせて独立した数体系になったものが自然数。
(2) 測定というのは、単位を決めて、連続量を分離量にひき直して、その「多さ」を求めること。そして「測る」というのは、単位の個数をかぞえることです。
- 2.小数と分数
- (1) 単位が決まると、連続量はそれらの単位に分割することができる。基本になる単位が決められると、あとは決まってしまう。量の余りはつぎつぎに10等分して小さな単位をつくって測る。これが小数である。
1mを10等分すると、0.1mとなり、これをさらに10等分すると0.01mとなる。
小数は、10集まると1つ上の位に繰り上がり、10等分して1つ下の位に繰り下がるという整数と同じ十進法の構造である。
(2) 分数というのは、与えられた量xと単位との公約量によってxを測ること。
(互除法:お互いに余りを割っていく)
分数は、いくつかの数が集まると1になるというn進法の構造である。分数で大切なことの1つに、等分した大きさを「分数」を用いて表すことができる。
(3) 遠友塾の受講生にとっては、十進法に親しんでいるので、分数より小数を先に学びやすいのでは。
- 3.分数の加減
- 分数に限らず、足し算と引き算は、単位を揃えなければならない。分数の単位とは単位分数です。分子が1の分数。単位分数を揃えるということは、分母を揃えること。
分母を揃えることを「通分」という。分数の性質、「分数の分母と分子に同じ数を掛けても、0でない同じ数で割っても、分数の大きさは変わらない」を使って分母を揃える。
*算数と数学の違い
算数: 数の範囲では、0と正の整数、小数、分数まで。
数学: 数の範囲では、負の数も入る。xなど文字式の使用。
算数と数学は問題が違うわけでなく、受講生の学習段階により、学んでいるやり方を使って解決できるようにしていくことです。