
遠友塾代表挨拶
2016年1月
札幌遠友塾自主夜間中学
代表 遠藤知恵子
今日の複雑化した社会を生き抜くには基礎的学びが不可欠です。日々の生活に不可欠なその学びの機会を得られずに苦労し、学びの機会を求めている人が少なからずいることと思われます。札幌遠友塾はそのような人々に学習の機会を提供しようと1990年に立ち上げられたボランティア組織です。
札幌遠友塾にたどり着いた受講生さんたちは、一様に居場所を発見した安堵感と喜びにあふれ、学びを支援するスタッフも受講生さんの体験から学んだり共に詩を鑑賞することで心豊かになったりなど、お互い交流から多くを得ています。遠友塾には双方が学び合う関係が成り立っており、学びの原点を見る思いです。
設立から25年余り、このような自主夜間中学は、札幌を含め、旭川、釧路、函館と4カ所に広がりました。憲法でも保障されているこのような学びの機会(義務教育=生存権としての学習権)の大切さが認識され、国レベルでも、昨年各県に少なくとも1校は公立の夜間中学をつくるという方針が出され「義務教育に相当する普通教育の多様な機会の確保に関する法律案」の検討が進められています。基礎的学びを求める人が、ひとりでも多く学びの場が得られるよう、札幌遠友塾としてもこれまでの経験を生かしつつ努力していきたいと思っています。